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Limit battle/6章~最終~

第70話~最終イベント~


陽介の物凄いタイムは今後、誰にも抜かれなかった。そのため、ジムカーナーの優勝者は陽介に決定。

彼にはEIJI SPEED製高性能サスペンション一式とRfactoryのRB26DETT用ツインターボセットが渡された。

陽介「わお!こんなイベントで俺の車に付けられそうなモノがもらえるなんてな!!」

修「よかったね。」

陽介「ああ。俺のS15にこのサスペンションとタービンくっつけて・・うは!絶対パワーアップすんぜ!」

修「・・お前がこれ以上強くなったらどうすんだよ。」

陽介「ん?それをお前が抜くんじゃねぇかよ。てか、お前の車・・俺よりもやべぇから。絶対空力じゃ誰も勝てねぇし。」

その一言で修は「むゥ・・」と黙り込む。


すると・・場内放送で―

「佳山 修様、鏡野 劉輝様。今回の企画者がお待ちです。EIJI SPEED専用PITへお越しください。」

修「あ・・もうそんな時間か・・」

陽介「っま、行って来いヨ!」

修「うん。じゃ、最後まで楽しんでけよ!兄貴。それと皆さん。」

修と鏡野は一緒に走りながらPITへ向った。


そして、PIT

栄治「さ、この後本番だ。修、気を引き締めてけよ!」

修「はい!」

鏡野「っま、硬くならない様に。硬くなるのは・・なんでもない。っま、頑張ろうぜ!」

っと・・ココで一人の男が現れた。その男はレーシングスーツに身を纏っている。

秋川 大和である。

秋川「おい、お前等。精々足手まといになるなよ。俺を怒らせるような事をするなよ。」

鏡野「いやいや、お前が俺等を怒らせそうだぜ?今。」

修「鏡野さん・・」

彼は鏡野の肩に手を添える・・それと同時に首を横に軽く振る。

修「秋川さん。」

秋川「何だ?」

修「俺は貴方に興味はないです。」

秋川「なにぃ?」

彼は組んでいた腕を崩し、凄い剣幕で修を見る。

修「ですが、今日は互いに頑張りましょうよ。ね?」

彼は秋川に笑顔で言う。それが効して言い合う事に戦意喪失した秋川は。

秋川「・・っけ。まぁいいだろう・・さっさと着替えろ!」

そのままズカズカと自分の乗るサイバーエボの方へ足を運ぶ秋川

修「ね。こうすればイチイチくだらない言い合いはなくなります。」

鏡野「そうだな。悪かった。」

修「いえいえ。」

2人はその後、レーシングスーツに身を纏い自分の駆るマシンの横へ立つ。

栄治「いいか?コレは3台のTAからやり、最後は3台の5週レースだ。修だけアマチュアだが、プロ達はそれを気にせず思いっ

きり走ってくれ。以上。」

栄治の簡単過ぎる説明が終了。3人はそれぞれのランエボへ乗り込んだ。

修(さぁって・・本番かぁ・・俺・・落ち着いていけるかな・・)

栄治「あ、悪い。お前が一番最初のアタックね。」

修「えぇ!?聴いて無いっすよ!?」

栄治「うん。だから最初に悪いって言ったじゃん。」


第71話へ続く。


第71話~メイン~


修(栄治さん・・勝手だよ・・)

彼は栄治の決めた順番に不服であった。

鏡野「修、もうすぐ出番だ。気を確りな!」

修「はいッ!」

すると、場内放送で栄治と拓哉の声が聞えてくる。

栄治『さァ皆さんのお待ちかね!ランエボ同士のTAバトル!マシンはトライアル鳥取ランサーとVOLTEXサイバーエボ08バージョン!

そして、HKSのCT230Rだァ!!!』

拓哉『このマシンを駆るのはスーパーGT、スーパー耐久で活躍しているドライバー、鏡野劉輝選手と秋川大和選手。この2名が

操るマシンはCT230Rとサイバーエボです。トライアル鳥取ランサーは何と、サーキットレースの経験の無い素人ドライバー

が行います。』

彼が最後に”素人”と言った為か、場内がドヨドヨと慌しくなった。

修「うわァ・・結構批判あるなァ・・俺どうしよう・・・」

鏡野「泣きべそかくなよ。俺も一番最初レースに出たときは同じ様なモンだったぜ。」

秋川「四の五の言わずに与えられた課題をやりゃァいいんだよぉ。オメーが家で宿題やる様によぉ。」

修「分かってますよ・・じゃ・・行って来ます。」

彼はトライアル鳥取ランサーをPITから出しPITロードを走らせる。

そして、PITアウトラインに付け指示を待つ。

栄治『さぁ、今からシグナルが点滅します!』

拓哉『スタートまでもうまもなくでございます・・シグナル点滅!』

彼の掛け声と共にシグナルランプが点滅する!

修(ふぅー・・よし!)

彼は自分の身体に気合を入れた。

修が目を見開くとシグナルが丁度全部点滅した!

トライアル鳥取ランサーがPITを飛び出る!

バリスのランエボが飛び出すと、先ほどまで批判をしていた観客もおぉ!っと唸る。

PITからの無線。

栄治『いいぞ、まず1周目はタイヤを温めろ。2週目はアタックだ。いいな?』

修「了解。」

彼はその返答と同時にギアを上げる!


しばらく経過し、トライアル鳥取ランサーはバックストレッチを過ぎ、最終コーナー。そしてメインストレートへと

入りTAスタート!


第72話へ続く。


第72話~TA~


スタートラインを猛スピードで駆け抜けたトライアル鳥取ランサー!

そして、目の前には第1コーナー!

黄色いランエボはコーナー一歩手前でブレーキ!物凄い音と共に減速、第1コーナーをスムーズにクリア!いい立ち上がり
加速を見せ次のS字コーナーへ繋ぐ!

修(最初はいい・・俺の苦手な高速S字コーナーをどう攻略するかがこのTAのカギになる・・!)

彼はアクセルを抜いたり踏んだり巧みなアクセルワークでS字コーナーを攻略!

修(っしゃァ!)

喜びのあまりガッツポーズをしそうになったが、それはTAが終わるまで止めた。

S字をクリアするとすぐに第1ヘアピンが迫ってくる!

修はヘアピンカーブなど低速セクションは得意としていて、綺麗なラインでかなりいいタイミングのシフトダウン、シフト

アップで糸も簡単に第1ヘアピンを抜けて行く!

ちょっとした直線を抜けて行くとすぐにダンロップコーナーが立ちはだかる!

修(このコーナーの抜け方次第でタイムが大きく変わる・・気がする・・!)

彼の目にはありとあらゆるラインが浮かぶ・・その中の効果的と思われるラインを一瞬にして搾り出し、またその中から

厳選して一つのラインを選んだ。

修(ここだァ!)

黄色いランエボはダンロップコーナーのイン側の縁石へ片輪を乗り出し、車体が跳ね上がり、路面にタイヤが付くと車体が

滑り出した!それをアクセルワークとステアリング操作を駆使しアウトの縁石に多少乗り上げた程度で収め車を前へと

進める!

修(よし・・上手く行った・・)

そのまま立ち上がり加速のまま80Rコーナーへ進入!練習の時よりも速い速度でクリアして行った!

修(行ける・・コレなら行ける!!)

彼の心に”行ける”と言う単語が響くッ―

第2ヘアピンの前方へ差し掛かると、何時もより繊細なブレーキで減速、そして、ここでもまた繊細なアクセルワークと

ステアリング操作で綺麗なアウト・イン・アウトのラインを描きコーナーを立ち上がって行く!

黄色いランエボは猛スピードでバックストレッチを駆け抜けて行く!

修(最後・・ココで今までの全てが決まるッ!俺の全てがこの最終コーナーで!!)

そして、彼はランエボのブレーキを踏む!すると、ランエボの挙動が少しブレてしまう!

修「ぐあァ!?」

彼は少し焦るが、すぐに切り替えしてステアリングを左右に少しずつ動かして車体の挙動を落ち着かせる。

修「・・ふぅ・・何とか落ち着いた・・」

最終コーナーでのミスでかなりタイムの結果に負担をかけてしまった。

修「だが、まだだ。まだ諦めない!残ったカーブを全身全霊を賭けて曲がり切り、最後のメインストレートへ挑む!」

場内の放送で栄治の声も聞えて来た。

栄治『おーっと、ちょっとしたミスからの立ち上がりとは思えない加速だァ!これは分からないぞぉ!?』

彼が言い終わると、少ししたらトライアル鳥取ランサーはゴールしたッ―

拓哉『タイムの結果はァ―・・なんと!記録、1分フラット!1分丁度です!』

その声で場内は大きな歓声が上がる。

栄治『最終コーナーでのミスが無ければコレは完全に1分を切って居たでしょう!あァ!惜しいぞ!一般ドライバー!』

修の駆るトライアル鳥取ランサーは1周軽く走ってPITに戻って来た―

彼がパドック内に入るとそこには拓郎が待っていた。

拓郎「おい、すげぇなお前。練習より3秒も縮めちまうとはよ!しかもあそこでミスしなきゃァかなりのタイム出て

たぞ!」

修「あァ・・すげぇー残念な気分だ・・例えるなら女にフラれた気分だ。」

拓郎「意味わかんねぇよ。」

と、そこへ鏡野がやってきた。

鏡野「おいおい、すげぇよマジで!初心者とは思えないぞ!お前かなりプロに近い腕を持ってるぜ!」

秋川「だが、まだまだだ。最後の最後でミスをするとは・・情け無い。」

鏡野「お前が言えるか。GTで一回500に上がったのにすぐに300戻ってきてよ。」

秋川「ッ・・!うるさい!」

鏡野の一言が気に障ったのか、鏡野に激しく突っかかる。

修「まァ、二人ともやめましょうよ。さ、次は秋川さんですよ?」

秋川「・・ッケ!おい、鏡野。覚えておけよ。」

鏡野(ヤダね。)

秋川は鏡野と修に背を向けサイバーエボの方へ歩いて行った。


第73話へ続く。


第73話~三つ巴~


秋川がサイバーエボでのTAを終了した。結果は57秒031と簡単に1分を切った。

続いて鏡野のCT230RでのTA。

修「鏡野さんか・・この人はどうだろう・・」

秋川「・・俺よりもいいタイム出すだろうよ。車が違いすぎる。」

修「そうなんですか?」

秋川「当たり前じゃねぇか。あの車を何だと思ってる?」

修「それは・・」

彼が言いかけた時、丁度鏡野のCT230Rが最終コーナーを立ち上がって来た!

秋川「・・・来やがった。」

修「どうだ・・!?」

2人の目の前を通過したCT230R・・車のウィンドウからは鏡野の腕が見えた。それを良く見るとピースをしていた。

栄治『さァ!出ました!タイム!では、木内さん、お願いします!』

拓哉『はい。鏡野さんが今現在出したタイム!55秒903!55秒903です!』

そのタイムを聞いた場内は物凄い歓声に満ちた。

修「や、やべぇ!すげぇ!!」

秋川「・・ッチ!」

拓郎「うっへー・・あの人ならやると思っていたがすげぇや!」

秋川「おい、それは俺には期待していなかったって事か?」

睨みつける様に拓郎を見る。

拓郎「い、いや、そう言う事じゃないっすけど・・あ、秋川さんもすげぇじゃないっすか!簡単に1分切るんですから!」

秋川「・・もういい。」

彼はポケットに手を突っ込みながらもう一度サイバーエボの方へ歩いて行く。

秋川「おい、素人!すぐに3台でのレースだ。俺達に勝てる訳ねぇがさっさと支度しろ。」

修「え・・あ、はい!じゃァな、拓郎。また後で!」

拓郎「おう、頑張って来い。」

彼は修に手を振って見送った。


栄治『さァ!やって参りました!このイベントでのメイン!今TAを行った3台のランエボでの限界バトル!』

拓哉『どのマシンが勝つか・・予想してみるのもまた楽しいですよ?』

栄治「さー!3台のマシンが今PITアウトして参りました!今から軽く1周して来てから、スタートグリットへと並び

ます!』

拓哉『まず、順番は・・1番グリット、トライアル鳥取ランサー。2番グリットVOLTEXサイバーエボ。3番グリットHKSCT230Rと

なっております。』


その後、修達が1周して来て指定のグリットに付く。

―と、鏡野がファンサービス的な感じでマシンから降りて来た。

鏡野「オーエンお願いしゃーす!」

観客に大きな声で話しかけ、大きく手を振る。

その対応に観客も熱が入った。

秋川(鏡野め・・あんな事して事故らなけりゃいいがな・・)

彼はサイバーエボの中でそう思っていた。

修(鏡野さんすげぇな・・観客の人達を自分の空気で統一してるよ・・)

栄治『おーい、鏡野選手ー。ファンサービスもいいけどそろそろ車に戻ってー』

その言葉に対して鏡野は頭に手を添えながらペコペコと会釈し、そのまま車に戻る。

拓哉『さて、バトルシグナル点滅まで・・5!』

シグナルランプが1つ目の青が点滅。

修(勝てるなんて思っていない・・ただ・・この人達に着いて行ければそれでいい!)

シグナルランプの最後の青が光る!そして、全ての青が消え、シグナルランプが赤一色になる!スタートだ!


第74話へつづく。


第74話~悶えて悶えて…~


3台は勢い良くスタート!しかし、CT230Rがスタートダッシュと共にサイバーエボの横へと並ぶ!3台が横一列に並ぶ

感じだ!

秋川「っく!並んできやがったか!」

鏡野「悪いねぇ!娘の為にも負けたかァねぇんだわ!」

そう言い彼は第1コーナー手前でブレーキ!鏡野のブレーキのタイミングは他の2台より遅い!

修「わァ!曲がり切れるのか!?」

彼がそう思う。が、CT230Rは軽やかに曲がって行く!

第1コーナーでCT230Rが先頭に立ち、次にサイバーエボ、トライアル鳥取ランサーという感じだ。

秋川「お前の時代は2003年で終わりだッ!ココから先は俺の時代なんだよ!道を開け渡せ!」

サイバーエボがS字コーナーで秋川がCT230Rに喰い付く!

鏡野「ほぉ・・いい腕だな・・やっぱりよぉ!」

2台は接近しつつも第1ヘアピンへ進入!修の黄色いランエボも負けじと着いて行く!

修「ハイペースだなァ・・!」

3台はダンロップコーナーへ差し掛かる!

鏡野「フォウッ!!」

彼は掛け声と共にブレーキ、車体が軽く横滑りしながらもステアリング操作で上手く立ち上がる!

秋川「上等だ!」

彼も同じタイミングでブレーキ!フロントタイヤをインの縁石に乗せてリアを滑らせながらダンロップコーナーを

クリア!

修「っく!」

彼は軽くインカットし車をグリップさせながら立ち上がる!加速は3台の中で一番良いと思われる!

秋川「・・ッチ!後ろも食いついて着やがったか!」

修のトライアル鳥取ランサーはサイバーエボのリアに喰い付き、インを狙う!

秋川「やらせるかよ!」

サイバーエボは修の行く先を察知しそのラインを潰す!

修「行ったな!そうくると思った!!」

サイバーエボが80Rコーナーのインに寄せるとトライアル鳥取ランサーはアウトに行きサイバーエボとサイド・バイ・サイド!

秋川「な、なにィ!?」

サイド・バイ・サイドのまま第2ヘアピンへ差し掛かる!

秋川「っく・・!素人如きに・・俺がァァ!!」

サイバーエボはアウト!トライアル鳥取ランサーはイン!そのまま順位が一変しサイバーエボが3位、トライアル鳥取ランサー

が2位!

先にバックストレッチを走っていた鏡野―

鏡野「フュ~ゥ・・なかなか、やるねぇ!」

口笛を吹きながら言う。

鏡野「だァが!俺はそう簡単には負けねぇさよ!」

CT230Rの加速に追い付けないトライアル鳥取ランサー!その後ろには秋川の駆るサイバーエボ!

秋川「おいおい、お前は俺の時代には邪魔なんだよ・・俺の障害になるんじゃねぇ!」

彼は物凄い勢いでシャウトする!

だが、虚しくまだ追い付けない!

修「っく!鏡野さんの操るマシンに追い付けない・・!」

3台は最終コーナーへ差し掛かり、3台とも軽くリアを滑らしながら最終コーナーを立ち上がって来る!

栄治『おーっと!只今メインストレートに入ってきましたァ!素人の駆るトライアル鳥取バリスランサーが2位にいる

ぞぉ!秋川大和選手!この後どう出るかァ!?』

拓哉『ランエボ同士の熾烈な戦い・・コレは今だ嘗てない勝負です!皆さん、後4周、応援宜しくお願いします!』

3台のランエボはメインストレートを駆け抜け第1コーナーへ進入ッ!


その後、3週・・順位は変わらず最終ラップへ入るッ――


第75話へ続く。


第75話~フィニシュ~


3台は先頭を鏡野の駆るCT230R、次に修の駆るトライアル鳥取バリスランサー、そして秋川の駆るサイバーエボだ。

鏡野「悪いね、修!秋川!俺は負ける訳には行かないよ!プロとしてのプライドもそうだが・・そんな事よりも娘の前

で良い所見せたいんでねぇ!」

CT230Rは第1ヘアピンを綺麗なライン取りでクリアしてゆく!

修(凄いなぁ・・!流石鏡野さんだ!置いて行かれないように付いてゆく!)

トライアル鳥取ランサーもCT230Rと同じラインでコーナーをクリアして行こうとするが、少しアウトに膨らみながらコー

ナーを抜けアウトの縁石に乗り上げながらギリギリで立ち上がるッ!

秋川(っけ・・甘い突っ込みしやがって・・さっさと俺に道を開けろ!)

サイバーエボはCT230Rとほぼ同じライン取りでコーナーをクリア!立ち上がりでトライアル鳥取ランサーの後ろに付き

前を走る修のマシンを煽る!

修「っく!煽って俺の精神面から戦意喪失させる気かぁ!?」

彼は焦らずS字コーナーをクリア。そして第1ヘアピンへ進入!

秋川「進入が甘ぇんだよ!内側がガラガラだよ!」

サイバーエボがトライアル鳥取ランサーのインへ飛び込みノーズを捻じ込む!

修「ッ!クソ!やられたっ!!」

立ち上がりでサイバーエボがトライアル鳥取ランサーの前へ出た!

秋川「ヘナチョコマシンとドライバーはお家でママとおねんねしてろ!」

彼はアクセルを踏み込みダウンロップコーナーへの進入を試みた!

修「・・ここで抜かれたか・・勝ち目がない・・でも、諦めない!」

彼も同じくダウンロップコーナーへ進入!

鏡野「ヒュ~ヒュ~ッ!アッツイバトルが繰り広げられてるね!」

彼は先に80Rコーナーへ入っていた。

秋川「っち!アイツもうあんな所に・・!後ろにも注意せんといけねぇのに・・!」

修「鏡野さん・・速いな・・もうあそこか・・俺も負けらんねぇ!」

CT230Rを追い、サイバーエボとトライアル鳥取ランサーは80Rコーナーへと進入!

だが、既に鏡野は第2ヘアピンを立ち上がりバックストレッチを余裕で走っていた。

秋川「畜生がぁ!!」

後ろの2台のランエボも第2ヘアピンを通過しバックストレッチへ!

しかし、その時すでに鏡野のCT230Rはホームストレートを通過しゴールしていた。

残るは2台・・!


修「ストレートなら俺のエボの方が上!」

トライアル鳥取ランサーはパワーでサイバーエボの後ろへ付く!

秋川「・・スリップストリームか・・やるな、だが!コーナーで速いモンが全てを制する!」

2台は最終コーナーへ進入し、サイバーエボがイン、トライアル鳥取ランサーがアウト!

修「コレでどうだぁぁ!」

トライアル鳥取ランサーはサイバーエボとほぼ同じスピードでアウトからサイバーエボをオーバーテイクしようとし

ていた!

秋川「ッハ!呆れたぜ!おめぇな、そんな所から行けるかよ!コースアウトすっぞ!」

しかし、彼の思い込みは裏腹にコーナーをサイド・バイ・サイドで立ち上がって行く!

秋川「何!?」

修「いっけぇ!」

2人はアクセルを底まで踏み込む!


ゴールラインを先に通過したのはサイバーエボだった・・


2台はPITに戻って来た。

一足先に鏡野がPITに入っていて、後から来た2人に声をかけた。

鏡野「おー、秋川。流石プロ。でも、修も秋川にくっ付いてただけすげぇよ!」

秋川「・・お前に喋りかけて欲しくはない物だ。俺の事はホッとけ。」

鏡野「うん、ホッとく。」

秋川「・・・」

彼はそのまま近くに置いてあったコーヒーを持ち何処かへ消えて行った。

修「それにしても、鏡野さんホント速いですね。」

鏡野「そうか?ただ娘に良い所見せたかっただけだけどな!」

彼は高笑いした。

と、そこに栄治がやって来た。

栄治「YO~!お疲れさんしたぁ!いやぁ良い走りだったよ!」

鏡野「勿論だ。」

修「ありがとうございます。」

栄治「後の片付けとかは俺達主催者側に任せて、帰って貰っても結構だぜ。もう催しねぇしな。」

鏡野「そうだな。俺もそろそろ地元に帰んねぇとだし。」

修「そういえば、鏡野さん達の家って・・」

鏡野「東京だよ。あの辺はかなり速い走り屋の溜まり場だ。首都高もスピードジャンキーが多いし。」

修「へぇ・・」

栄治「そういや、あの辺で有名な峠って・・あったか?」

鏡野「ああ。俺のホームコースでもあり、プロの走り屋集団が多く集う峠・・漣峠って言う山道があるぜ。」

栄治「へぇ・・今度俺達の遠征先に追加して置こうか・・」

鏡野「是非来てみてくれや。」

修「俺も何時か行って見ますね。時間が空いた時・・」

鏡野「そうか、だったらお前が来る時アポ入れてくれ。メアド交換すっか。」

修「はい!」


こうして、栄治・拓哉主催。筑波サーキットでのイベントが終了した。


第76話へ続く。


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